仕事や生活をしながらでは、見学できる施設の数は限られてしまう【介護施設探しの体験談】

仕事や生活をしながらでは、見学できる施設の数は限られてしまう【介護施設探しの体験談】

軽度の認知症から徘徊や昼夜逆転の生活が始まった要介護3のおじいさま。高齢のおばあさま、仕事をするご両親の負担が大きくなり、施設への入居を決めたと話す愛媛県のA.A.さん。何カ所もの施設を見学しているうちに、部屋の日当たりや施設の雰囲気がわかるようになったと言います。

仕事や生活をしながらでは、見学できる施設の数は限られてしまう

【プロフィール】
<入居者>祖父
<施設種類>(その他)看護小規模多機能ホーム
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護3
<入居期間>2014年9月〜2017年12月
<居住地域>広島県
<話を聞いたかた>孫

入居者との関係

父方の祖父です。

医療的ケア・疾患、症状など

軽度の認知症があり、基本的な日常生活はサポートがあればできるものの、徘徊や昼夜逆転の症状などがありました。

入居を決めた時期と理由

認知症の症状が出始め、高齢の祖母の負担が大きくなってきたことが大きな理由です。また、加齢による体力の低下とともに、入浴や排せつなどもだんだんサポートが必要になってきました。
同居している両親も昼間は仕事をしているので、家には祖母しかいない状況であったため、家族で相談し施設にお願いするのが一番ではないかという結論に至りました。意識のはっきりしている間は、祖父本人も行きたがりませんでしたが、病院での診断の後、本人も納得し、入居することになりました。

施設の探し方

祖母の妹である大叔母に相談し、いくつかの施設を紹介してもらいました。
そのなかの施設を家族で見学し、その雰囲気や働く職員の印象、費用などについて話し合ったうえで、地域のケアマネージャーの意見を参考に入居施設を決めました。インターネット等でも検索しましたが、実際に仕事や生活をしながらとなると、見学に行ける件数は限られていたと思います。
友人や親せきの口コミなども施設を探すうえで大変参考になったそうです。

入居の手続き、ステップ

日常生活のなかで、祖父はできないことが少しずつ増えてきました。
ひとりでできていた入浴も、父が手を貸さないと湯船から立ち上がれないなど、手助けが必要な場面が増えていたにも関わらず、夜中に急に外へ出ようとしたり、祖母を認識できなかったりすることが増え、病院で軽度の認知症であるという診断を受けました。

昼間は両親が仕事で家を空けていることもあって、専門の施設へ入居するのがいいのではないかということになり、施設を探すなかでケアマネージャーを紹介してもらい、入居施設を決めました。

入居して良かったこと

家族の負担が減ったことです。祖母の体力では、日常的な介護は難しかったですし、両親は仕事があったので、もし日中に何かあっても、早退したり仕事を休んだりすることがとても負担になっていました。

施設に入居してからは、夜中に祖父がいなくなってしまう心配もないし、夜は休む、昼は働くという生活を家族が取り戻せたことが一番良かった点だと思います。食事の面でも、家では誤飲の心配や食欲に左右されて栄養面での偏りがあっりましたが、施設では、介護士のかたたちにみていただくなかでの食事でしたし、献立も栄養が偏らない工夫をしていただいていたと思います。

入居して大変だったこと

祖父は、家族だけの気を遣わない気ままな生活から、知らない人たちの中での共同生活となり、特に最初はとても困惑していたように感じます。
テレビを見るのにも、同じ部屋の方に気をつかったり、娯楽室で見ているときには勝手にチャンネルを変えることもできない、そういう不便は本人にはあったと思います。

意識のしっかりしているうちは、会いにいくと家に帰りたいとこぼすこともありました。イジメというほどではありませんが、いい加減な職員もいて、楽しみにしていた入浴を忘れられていた、というような話を何度か聞きました。

入居を検討しているかたへのアドバイス

私は入居した本人ではありませんが、家族で介護できるのではないか、本人は納得しているのかどうかなど、家族として、施設へ入居させることに正直葛藤がありました。しかし、祖父が施設に入居してからの家族の生活は、穏やかで負担の少ないものになったことも本当です。

できれば実際に施設を見学し、口コミなども調べてどのような生活を送ることになるのかを少しでも想像できる、見えるところを選ばれたらいいと思います。
私たちも何カ所か見学へ行くうちに、この施設のこの部屋は昼間は日当たりがいいのかな、悪いのかな、娯楽室までは歩いていける距離なのか、どんな雰囲気で食事をしているのかなど、細かいことにも気が付くようになりました。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

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