財務省の「財政制度等審議会」は2021年5月21日、財政健全化に向けた施策を提言する報告書(建議)を麻生太郎大臣に提出した。政府が来月にも閣議決定する今年度の「骨太方針」に反映するよう求めている。
介護分野では利用者の自己負担に言及。現行では全体のおよそ90%の利用者が1割負担となっているが、これを”原則2割負担”へ改めていくよう注文した。あわせて、居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を徴収すべき(現行は10割給付)と主張した。次の2024年度の制度改正をめぐる大きな焦点となる見通し。
こうした提言は、これから高齢化が更に加速していくことを念頭に置いたもの。財務省は膨らみ続ける給付費をなるべく抑制したい考えだ。保険料の上げ幅を小さく留め、現役世代の負担の軽減につなげる狙いもある。報告書には、「制度の持続可能性を確保するためには、給付範囲の見直しに取り組む必要がある」と明記した。
居宅のケアマネジメントについては、「制度創設から約20年が経ちサービスが定着した。他のサービスに自己負担があることも踏まえれば自己負担の導入は当然」と持論を展開。「利用者は自己負担を通じてケアプランに関心を持つ。ケアマネジャーのサービスのチェックと質の向上にも資する」とも指摘した。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint