調査結果から考える「老人ホームで暮らす親に安心して会える日は?」

調査結果から考える「老人ホームで暮らす親に安心して会える日は?」
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介護カレンダー編集部が見聞きした「介護」にまつわる情報をさまざまな観点からお届けします。

コロナ禍になって2年あまり、多くの高齢者向け施設で、入居者が家族をはじめとする外部の人と直接会えない状態が続いてきました。少しずつ緩和されてきているものの、オミクロン株の出現もあり、まだまだ元の通り、安心して家族に会える状況に戻るまでは時間がかかりそうです。

そんななか、これから親を老人ホームに預ける方と既に預けている方を対象に、「老人ホームに入居する前の不安、入居後の不満」という調査※を見つけました。

そのなかで、親が老人ホームに入居している、これから預けようとしている人に向けて、コロナ禍前後の家族の思いの変化を聞いています。

この設問では、半数近くの人が、何かしらの不満を抱えているようです。

具体的な不満として、次のような声があがっていました。実際に顔が見えないことで、不満(むしろ不安)が増大しているのかもしれません。

・やはりクラスターか発生すれば高齢なので重症化が心配(40代/男性/公務員)
・なかなか面会が出来なかった上に、やっと出来たのがガラス越しで話も出来ない(50代/女性/パート・アルバイト)
・コロナで面会をさせてくれない。施設も不親切で顔を見える設備機器も設置せず、非常に親の状態が心配である(60代/男性/自営業・自由業)
・新型コロナ禍で面会が禁止され、親の認知症が進行した(60代/男性/会社員)

今でこそ対面の面会が許される施設が増えていますが、緊急事態宣言下においては、ほとんどがオンライン、または時間制限付きのガラス越しでの面会でした。

実は筆者も老人ホームに入居中のコロナ禍に父を亡くしました。幸いなことに、ちょうど第一回の緊急事態宣言と第二回の間だったので、施設を訪ねお別れをすることができたのですが、時間が前後にずれていれば、会うことができない状態であったと思います。

この調査結果を見て、コロナという見えない敵の前にあっては、家族の会いたい気持ちはどうにもならないのだと、行き場のない怒り、憤りを感じています。

一日も早く新型コロナウイルス感染症が終息して、高齢者向け施設で暮らす人も、離れている家族も、そしてスタッフのみなさんも、安心して穏やかな気持ちで過ごすことができる日が来ますように。

改めてそんな思いを強く感じた調査でした。

介護カレンダー編集部

※「老人ホームに入居する前の不安、入居後の不満」に関する調査(株式会社西山知材)
調査概要:「老人ホームに入居する前の不安、入居後の不満」に関する調査
【調査期間】2022年1月28日(金)〜2022年2月1日(火)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,015人(これから親を老人ホームに預ける方:507人/既に預けている方:508人)
【調査対象】これから親を老人ホームに預ける方と既に預けている方
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

出典:PRtimes「老人ホームに預けている両親と『コロナ禍で面会する機会が減った』と6割以上が回答!コロナ禍に面会制限でも両親と顔を見て話す方法とは」

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