老人ホームの相談事例<夫婦一緒に入れる部屋のあるホームは少ない!?>【老人ホームの選び方 vol20】

こんにちは!千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長の石田です。

老人ホーム探しは難しいものです。なぜなら、人によって老人ホームに入る年齢も、要介護度も生活様式も趣味嗜好も、そして老人ホームにかけられるお金も違うからです。

しかも、希望の老人ホームが見つかったとしても、入所後に想定外のトラブルや困りごとが発生する可能性もあるのが難しいところ。

「老人ホームの選び方」では、私が過去にお受けした実際の相談事例を紹介しながら、注意すべき点を考えていきたいと思います。

ぜひ参考になさってください。

1.夫婦一緒に入れる部屋のあるホームは少ない!?

1-1 入所対象者の状況

<性別>夫婦

<年齢>夫:84歳 妻:86歳

<介護保険>夫婦とも申請中(夫婦とも要介護1〜2となる見込み)

<認知症>夫婦ともあり

<必要な医療行為>夫:なし 妻:バルーンカテーテル、褥瘡(じょくそう)

<既往歴>夫:静脈瘤 妻:静脈瘤、尿路感染症

1-2 相談内容

入居対象は80代のご夫婦、地域包括センター経由で娘さまから相談がありました。

ご両親とも高齢で認知症があったので、老人ホームを検討していましたが、二人で暮らせるうちはご自宅でと思い、具体的にホームを探すことはされていませんでした。

そんな矢先にお母さまの認知症が進み、食事がしっかり摂れなくなりました。しかし、認知症のあるお父さまが十分にお母さまの食事の世話をするのは難しく、お母さまは衰弱、急性期病院に入院されたそうです。

入院当初にあった褥瘡(じょくそう)も徐々に良くなり退院の見通しが出てきましたが、退院後にまた夫婦二人の生活に戻った後の生活を心配し、退院に合わせて、夫婦一緒に入れる老人ホームを探したいとのことでした。

ご希望は、認知症のケアに慣れているホームで、夫婦一緒の部屋があること、また、入院している急性期病院から転院するリハビリ病院の退院期限3カ月以内に入れるホームであることの3つでした。また月額費用の予算はお二人で40万円を見込んでいられました。

加えて、娘さまのお住まいがご両親とは他県であることから、入居契約時の身元引受人になれるかという心配もあったようです。

1-3 私の対応

実は夫婦が一緒に入居できる部屋がある老人ホームはとても少ないです。比較的夫婦部屋が多いのは、自立型のサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームなのですが、認知症や介護に手厚い介護付き有料老人ホームとなると、夫婦部屋は少ない傾向にあります。

つまり、数が少ないということは、空きも少ないため、多くの場合、申し込みをしてから数カ月の待機となるケースが多いようです。

また、今回は、夫婦お二人とも高齢で認知症だけでなく、お母さまは医療行為に褥瘡(じょくそう)とバルーンカテーテルがあるため、医療的ケアが対応可能な介護付き有料老人ホームを候補としました。

すぐに夫婦部屋のある老人ホームをピックアップ。そのなかから、現状で空きがある、直近で空き予定がある、退院期限内に入ることができる条件で候補の老人ホームをご提案しました。

ピックアップしたホームは全て事前に、認知症のケア、褥瘡・バルーンカテーテルの管理の対応が可能かどうか、また他県に住む娘さまがは身元引受人になることに問題ないか等確認しました。

後日、娘さまと候補となった下記3軒のうち2軒の老人ホームを見学し、①の介護付き有料老人ホームに申し込みいただきました。

①駅からは離れていてバスで40分程の立地。近隣の福祉・医療従事者からの評判が良い。夫婦部屋に1室空きあり
②現状夫婦部屋は満床。しかし夫婦部屋を一人で使っている入居者が近く一人部屋に移る予定なので、退院期限内には夫婦部屋が空く予定
③ 夫婦部屋が空く予定はないが、ドア1枚で一人部屋2室を繋げられるコネクティングルームタイプの居室がある。夫婦部屋として使用できる居室あり

①の老人ホームは、娘さまのご自宅からは一番遠かったのですが、近隣の福祉・医療従事者の評判が良いことが、選択の決め手となりました。2カ月後、お母さまの退院期限内にご夫婦同日に入居されました。

1-4 今回の事例のポイント

・夫婦部屋は絶対数、すなわち空きが少ないので、病院に入院中で退院期限が決まっている場合は、施設を早めに探し始める

・ご夫婦のうち、片方もしくは夫婦お二人ともに認知症がある場合は、ケアを考え、夫婦部屋があるサービス付き高齢者向け住宅などにこだわらず、ケアが充実している介護付き有料老人ホームがお勧め

2.まとめ

いかがでしたでしょうか?

夫婦一緒の部屋に入居したいというご希望をいただくことは少なくありません。しかし夫婦部屋は絶対数が少ないことから、なかなか空きが出ないという現状もあります。そのあたりも踏まえて、早めに動き出されることをお勧めします。

次回も、実際の老人ホームの相談事例を基に解説します。

老人ホームの選び方(介護カレンダー)

記事提供:石田治男
千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス 所長
入居相談員 / 老人ホームアドバイザー

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