新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国は重症化リスクを踏まえ介護施設などで無症状の職員や利用者への集中的な検査を行うよう求めている。こうした中で厚生労働省は2021年3月3日、立ち会いが難しい場合は医療職がいない環境下での唾液検体の採取を認める方針を示した。
代わりに注意点を理解した介護職らが確認することを要請している。同日付けの通知で自治体へ周知し、集中的な検査の幅広い実施を改めて呼びかけた。
唾液検体の採取は、試験管のような容器に既定の量の唾液を落とす形で行う。厚労省は注意すべきポイントを、採取前、採取時、保管・輸送などシーンごとに計8つ提示した。以下の通り適切な方法で実施するよう促している。
○ 採取前
1. 被験者以外のマスクを着用した職員が、容器に被験者の名前を書く
2. 被験者が採取の10分前(出来れば30分前)まで飲食や歯磨き、うがいを行っていないことを確認する
○ 採取時
3. 容器に自分の名前が書かれているか確認する
4. 唇を閉じて、口の中に唾液がたまるのを待つ
5. 容器のふたを開けて唾液を直接落とす。液体成分が十分量(1〜2mL程度)に達するまで繰り返す。立ち会う職員と被検者が向き合わないよう、後ろや壁を向いて行う
6. 液体成分が十分量に達したら、しっかりと蓋を閉め、容器の外面をアルコール綿で拭く。唾液の泡が多い場合は、十分量に達していない可能性があるため注意する
○ 保管・輸送
7. マスクや手袋を着用した職員が検体容器を回収し、可能な限り速やかに冷蔵庫(4℃)、または氷上に保管する
8. 検査実施機関の定める方法で輸送する
情報提供元:介護のニュースサイトJoint