明るく元気だった母が「アルツハイマー型認知症」、そして脳内出血。
思いもよらず、リハビリ病院からの転院先を探すことになりました。
家族で相談して、高齢者向け施設への入居を決めましたが、誰に相談したらいいのか?
どうやって情報を集めたらいいのか、わからないことばかりです……
特養って、何がそんなにいいの?
リハビリ病院からの高齢者向け施設へ。まず頭に浮かんだのは「特養」です。でも「特養」ってどんな施設なんだろう?
特養は安価な料金で入居できる
「有料老人ホームで言えば、30〜40万円くらいのサービスを、国が補助を出してくれるから、普通のサラリーマン家庭なら、10万円程度で利用できるんだよ」
と、知人が教えてくれました。
母の入居を検討した6年前は、支払額は4段階(※負担限度額認定の制度。収入や資産に応じて特養の利用料金の自己負担の上限金額を定め、超過分については介護保険から補填される仕組み。納税金額や資産によって4段階に区分されます)。
ちなみに、我が家(母)は、非課税、年金以外の所得なし、株などもなし、貯金は1人当たり1,000万円以下(土地と家は審査対象外)。
毎月、食費、居住費、介護費など、医師の診察や薬代以外の特養に払う金額は、下から3番目の段階で月額10万程度。父の遺族年金でまかなえる、ありがた〜い金額でした。
というわけで、私の気持ちは特養に一直線!
一発で特養に入れたコツ
もちろん、母の介護度は要介護5。それでも本来は、1年程度待つのが普通、と言われていました。それほどハードルが高い特養。
では、どのようにして一発で特養に入れたのか、そのコツを順を追ってお伝えしたいと思います。
特養入居の判定項目を理解し、ポイントを積み重ねる
以前にもお話ししていますが、特養を申し込んだとき、実際に入居できる基準は、ポイント制によります。つまり、できるだけ多くポイントを加算する必要があります。
まず、一番加算度が高いのが、《面倒を見てくれる人がいない》ということ。
ポイントの高い順に、
①一人暮らし
②高齢者のみの生活
③同居の家族はいるが、介護が難しい
②の場合、一緒に住んでいなくとも、面倒を見ることができる家族が近くにいると減点、離れた地域に住んでいると加点。
③の場合、同居でも、全員が企業に勤めていると加点。
その次が、企業に勤めてはいないが、パートだったり育児中だったりで、介護が困難である場合。
など、細かく分類されて、加点の具合が変わってくるそうです。これらが最大のポイントです。
それ以外にも、特養のある地域に住んでいる、介護に不向きな住宅であるなどもポイントに。いかにポイントを稼ぐかが重要になってきます。
1. 特養入居へのTO DO:特養を探し、ピックアップする
ネットでも調べられますし、区(市)役所には、特養などのリスト、小冊子や申し込み用紙など、必要なものが揃っています。可能であれば、実際に役所に行くのがおすすめです。
私ももちろん、直接取りに行き、ついでに書き方や申し込み方法など教えてもらいました。
どんな会話や態度でどう加点が入るかわからないので、特養入居に関係あるところに行ったときは、常に謙虚で丁寧な対応を心掛けて行動しました。
施設探しですが、私の場合、私が通える範囲で探しました。
毎日は無理でも、できるだけ母の元に通いたいという思いがあったので、車で20分以内のところをピックアップ。
特養と老健を合わせて15カ所くらいになりました。
2.特養入居へのTO DO:情報収集
周りの人に、「特養のことを知っている人がいたらぜひ教えてほしい」と伝えました。
ネットなどでも情報は集められますが、リアルな情報が一番なので、ケアマネさんやご近所さんなど、会う人会う人に聞いてみました。経験豊富なケアマネさんが、一番詳しいと思います。
あと、最大のラッキー情報としては、これから新しく作られる特養。新しいと、大量募集になるので、すんなり入れることが多いそうです。
区役所やケアマネさんが詳しいことが多いようですが、こちらから聞いてみないとわからないので、恐れずにどんどん聞いてみましょう。
3.特養入居へのTO DO:実際に行ってみる
何より自分が施設に実際に足を運んでみて、空気感を確かめることは、施設選びでとても大切だと思いました。
母は要介護5なので、親切で温かみのある介護は必須だけれども、細かいところを理解できるか難しいです。そこで、母には申し訳なく思いつつ、母の好みよりも、入所後に通う私と相性の良いところを選ぶことにしました。
私の希望としては、通いやすいのはもちろん、できるだけ雰囲気が明るくて、自然光も入り、個室にずっといるのではなく、多くの時間を同じユニットの皆さんと一緒のところに過ごす、活気のある施設がいいなと思って探しました。
また、調べたり聞いたりした情報では評判が良いところでも、実際に行くと「あれ?思っていたのとちょっと違うかも……」というケースもありました。「とても評判が良い」と聞いていたある特養は、私には静かすぎて、寂しく感じました。
感じ方は人それぞれなんだなあ、と実感しました。
当たり前のことですが、必ず事前予約です。まずは電話してみましょう。
ということで、私の特養探しはまだまだ続きます。次回は、特養に見学に行ったときのお話。
※ここに記載されている内容はあくまでも個人の体験であり感想です。
1965年生まれ。 家族は、夫と息子3人、犬2匹。弟。 主婦であり、酵母パンやマクロビ料理主宰、ウェブサイトの運営など。 父 脳内出血後、半植物となり、1年間の病院での療養を経て、69歳で他界(2004年)。 母 軽度のアルツハイマー型認知症発症。脳内出血で病院に入院。特養を経て2021年自宅で看取る。