笑顔で介護! 特養〜自宅で看取るまで<第9回>施設入居を決めたはいいけれど、誰に相談すればいいの?

笑顔で介護! 特養〜自宅で看取るまで<第9回>施設入居を決めたはいいけれど、誰に相談すればいいの?

明るく元気だった母が「アルツハイマー型認知症」、そして脳内出血。
思いもよらず、リハビリ病院からの転院先を探すことになりました。
家族で相談して、高齢者向け施設への入居を決めましたが、誰に相談したらいいのか? 
どうやって情報を集めたらいいのか、わからないことばかりです……

誰か相談にのってくれる人を知りませんか?

誰に頼ればいいのか、不安な毎日……

母の介護。今後の方針としては、私がちょくちょく通える、弟も来ることができる場所にある施設に入居してもらうこと。

でも、誰に相談したらいいの?

病院の相談員さんは、有料老人ホームのことしか言わないし、他に手段はないの?

本来、相談できるはずと思っていたケアマネさんや地域包括センターだったのに、母の住民票は都内で私は隣の県となると、都内のケアマネさんにしか相談できず、入居希望の地域の情報がないのです。

どうしたらいいのか、ない知恵を絞ったあげく、私は、会う人、会う人に、自分の状況を伝えてみることにしました。

私のリアルの友人には、介護をしている人はまだほとんどいないので、もう、その先の人を探すしかないと思ったんです!

「今、地元で母の施設を探しているんだけど、どうしていいのか全くわからないんです。

誰か、相談にのってくれる人、知りませんか?」

まさに救いの神! ようやく相談相手が見つかった!!

そうこうしているうちに、ある友人が地元のケアマネさんを紹介してくれました!!

まさに救いの神!

冗談抜きに、そのかたが女神さまに見えました。

やっと頼りになる相談相手が見つかって、涙が出るほどうれしかったのを覚えています。

そして、そのケアマネさんにわが家の現状を話し、私がすべきことを確認。そのうえで、「地元の施設情報」をお聞きしました。

ケアマネさんは母の状態を知るとこう言いました。

「あわてずに、新たに取り直し中の介護認定の結果を待ちましょう」。

そして認定結果は、「要介護5」。

笑顔で介護! 特養〜自宅で看取るまで<第5回>介護認定、少しでもポイントアップさせるコツ

「要介護5なら、少し待つかもしれませんが、この地域でも入れる特養はあると思いますから、それまで過ごせる場所を探しましょう。おかあさまの今の状況なら老健(介護老人保健施設)がいいでしょう」とケアマネさん。

母が特養に入居するために私がすべきことは?

・母の住民票を我が家に移す
・老健を実際に見学
・いつ入れるかはわからないけど、特養にはとにかく申請を出し続ける。そのために特養も見学・区役所から特養入居のための申請書類をもらってくる

ということで、そのケアマネさんが近隣の特養や老健の特徴を教えてくれました。

また、その見学の際、とるべき行動のポイントを教えてもらいました。

とてもお忙しいケアマネさんでしたので、電話でのやりとりでしたが、友人の紹介ということもあり、信頼できる方で、情報量も多かったので、本当に助かりました。

ちなみに、特養へ入居を希望する場合は、原則として入居希望者(私の場合は母)の住民票がある地域の役所への申し込みが必要になります。

そして、特養は大変人気があり、都内では要介護5でも、5年待ち、と言われるほどです。

特養に入居を希望した場合、選ばれる基準は、ポイント制!

市区町村は、要介護度や介護期間、介護者等の状況などをポイント化、名簿化して、ポイントの高い方から順に入居が決まっていくという仕組みがあります。

その基準の中に、施設のある地域に住んでいる(地元民)、というのが、加点ポイントの一つになります。

なので……

現状、住民票が離れた地域にある母を、私が通える地域で特養を探すには、母の住民票を私の住所に移す必要があるのです。

そして、その際の注意点として、

単に母の住民票を私の住所に移すだけだと、母は我が家の一員、つまり「同居人=介護する人がいる」とみなされ、ポイントがダウンしてしまいます。

それを避けるために、同じ住所だけれど、「一人暮らし=介護してくれる人がいない」という扱いとなる「単独戸籍」を取得する必要があります。

取得の仕方は簡単で、住民票を移す際に、「単独戸籍にしてください」という窓口で伝えるだけです。

参考までに老健とは

基本、老健は、リハビリを主とする施設で、滞在期間は3カ月以内、そして、家に戻ることを前提とした施設になるそうです。金額の面では、特養とあまり差がありません。その人の収入(年金、所持金など)によります。

特養との1番の違いは、医師がいること。また、毎日10分程度(施設による)のリバビリが行われること。家に復帰することが前提の場所なので、リバビリは当然のようです。

一般的には、入居期間は3カ月以内となっているので、母が今いるリハビリ病院と一緒で、入ったはいいけど、すぐに次の場所を探さなくてはならないのです。

入るためには、もちろん審査がありますが、特養みたいに役所に提出するのではなく、直接交渉になります。

いずれにしても、その人にとっての相性があります。(それは特養も一緒)

なので、見学は絶対した方がいいです。

私もあちこちと見学しましたが、写真で見たり、人から聞いたりした話と、実際に自分の目で見た感じは、違うことも多々ありました。「ここ綺麗で素敵! でも評判が、いまいち……」なんていうところは、スタッフに話を聞くと、「あ〜納得」と思うこともありました。

ここに記載されている内容はあくまでも個人の体験であり感想です。

<プロフィール>なかお わかこ
1965年生まれ。 家族は、夫と息子3人、犬2匹。弟。 主婦であり、酵母パンやマクロビ料理主宰、ウェブサイトの運営など。 父 脳内出血後、半植物となり、1年間の病院での療養を経て、69歳で他界(2004年)。 母 軽度のアルツハイマー型認知症発症。脳内出血で病院に入院。特養を経て2021年自宅で看取る 。

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