介護サービス利用費用負担割合は、今後ますます増える傾向に

介護サービス利用費用負担割合は、今後ますます増える傾向に

令和元年8月、現役並みの所得がある人は、介護サービスを利用した際の負担割合が3割となりました。該当する人は、65歳以上の第1号被保険者で、「合計所得金額」が220万円以上の場合です。ただし、「合計所得金額」が220万円以上であっても、世帯の65歳以上の人の年金収入と「その他の合計所得金額」の合計が、単身で340万円、2人以上の世帯で463万年未満の場合は、対象から外れます。

まず、「合計所得金額」というのは、公的年金等控除や給与所得控除、必要経費、長期譲渡所得および短期譲渡所得に関わる特別控除を、収入から控除した金額で、基礎控除や人的控除等は該当しません。さらに、「その他の合計所得金額」というのは、上記の合計所得金額から年金の雑所得を除いた金額になります。

ただし、月々の利用者負担額には上限があり、その上限を超えて支払った分は高額介護サービス費が支給されるので、これまでの負担額から単純に1.5倍となるというわけではありません。2019年12月に厚生労働省から発表された「介護保険事業状況報告(暫定)令和元年(2019年)10月分 」によると、10月末時点で3割負担の人数は全国で258,391人、都道府県別で最多は東京都の52,118人、次に神奈川県の27,160人、大阪府の20,444人と続きます。また、関東の一都三県(神奈川県、千葉県、埼玉県)だけで105,934人と、首都圏の該当者が4割を占めています。

ちなみに、要介護(要支援)認定者数は全国で6,680,818人なので、3割負担の方の人数は約4%とまだまだ少なく、1割の利用者が全体の約9割を占めています。こうした現状を踏まえて財務省は、令和元年度に11.7兆円だった介護保険総費用が、「2025年問題」を迎える6年度には15.3兆円に増大するとし、介護保険の自己負担「原則2割」を改めて提言しました。こうしたことから、将来ますます負担額が増えることが考えられます。

参照
介護保険事業状況報告(暫定)令和元年(2019年)10月分
利用者負担割合の基準が変わります(周知用リーフレット)
令和2年度予算の編成等に関する建議

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