介護される人のことを考えれば、専門家が近くにいる環境がおすすめ【介護施設探しの体験談】

介護される人のことを考えれば、専門家が近くにいる環境がおすすめ【介護施設探しの体験談】
連載タイトルPIC

千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

おかあさまは要介護4。自宅から入居期間が限定される老健、老健から特養へと介護の場を移しました。「介護される本人のことを考えれば、専門家が近くにいる環境の方が快適に過ごせる」とN.N.さんはアドバイスしてくれました。

介護される人のことを考えれば、専門家が近くにいる環境がおすすめ

【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>特別養護老人ホーム
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護4
<入居期間>2019年4月〜2019年10月
<居住地域>長野県
<話を聞いたかた>長男

入居者との関係

母です。

医療的ケア・疾患、症状など

自分のことがわからないような重度の認知症と、転倒による大腿骨骨折からの歩行不可状態、骨粗鬆症がありました。

入居を決めた時期と理由

元々、骨粗鬆症で骨が弱く、その治療のため一般病院へ入院していましたが、入院中に認知症が進行したこと、また施設内での転倒による、大腿骨骨折が原因で自力歩行ができなくなってしまいました、そのため、在宅での介護が難しくなり、施設(老健)へ入所させました。老健は期間が限られるため、在宅と入所をしばらく交互にしていましたが、老健入所中に申し込みをしていた、特養から入所OKの案内があったため、案内された期日に老健から特養へ転居しました。

施設の探し方

以前から担当のケアマネージャーさんにお願いをして、候補を探してもらっていて、教えて頂いた施設をピックアップし、4施設の申し込みをして約半年ほど返答を待ちました。その期間中、新しい情報があると、都度ケアマネージャーさんが教えてくれたことは助かりました。
そのなかで、建設中でまだ開所していない特養の存在を教えて頂き、既存施設よりも入りやすいのではないかと思い、情報収集をすると共に、事前に申し込みも行いました。

入居の手続き、ステップ

2年程、在宅での介護を妻が中心となってしていました。しかし、認知症の進行、歩行困難等の理由で、在宅介護が難しい状況になり、ケアマネージャーさんにお願いしながら、入所できる施設を探していました。デイサービスやショートステイを組み合わせるなど、可能な期間は老健に入所していましたが、事前に申し込みをしていた特養から入所OKの案内が来たため、そのままそちらへ移動しました。

入居して良かったこと

開所したばかりの新しい施設だったので、室内が明るくて雰囲気が非常に良かったことが、まず一点。また、施設の相談員や看護師さんなどが、大変良くしてくださったので、そこにも感謝です。

本人のことを考えると、良い環境で最期のときを過ごせたのではないかと思います(2019年10月に施設内で永眠しました)。また家族にとっては、在宅で介護する負担がなくなったので、生活が正常に戻り、平穏を取り戻せた点が良かったと思います。

入居して大変だったこと

在宅介護に比べると、大変なことはありませんでした。しいて挙げるとすれば、定期的に面会に行かなければならなかったこと、何かあるたびに看護師さんや相談員から連絡があり、対応しなければならなかったこと(毛布とかゼリー飲料などを持って来てほしいなど)くらいです。もちろん、入所費用がかかることも大変だと思う点ではありますが、本人の年金でほぼ賄えたということもあり、そこまでは大変というわけではありませんでした。

入居を検討しているかたへのアドバイス

主に要介護のご家族がいらっしゃる方々へのアドバイスです。まずは施設へ入居することを悪いことだと思わないでください。確かに在宅で介護できればそれに越したことはありませんが、介護度が高くなればなる程、それは大変な負担になります。

介護が必要とされる本人のことを考えれば、専門家が近くにいる環境の方が快適に過ごせると思います。また入居施設を探すのもなかなか難しいので、家族で話し合ったり探したりする以外に、ぜひケアマネージャーさんの力をお借りしましょう。さまざまな情報(施設の空き具合や評判など)を教えてもらいながら探すといいと思います。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

★特別養護老人ホームについて詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。

老人ホーム・介護施設の選び方&体験談

老人ホーム・介護施設の選び方&体験談の最新記事