配偶者である叔母さまをがんで亡くし、将来の不安にさいなまれたM.S.さんの叔父さま。ご自宅を売却、自ら整理されて、住宅型有料老人ホームに入居しました。預貯金もそれなりにあり、金銭的に何不自由なく見える叔父さまでさえ、月額利用料は高く感じているようだと、M.S.さんは言います。
金銭的に余裕があっても、月額利用料30万円をいつまで支払い続けられるか不安<住宅型有料老人ホーム>
【体験者プロフィール】
<入居者>叔父
<施設種類>住宅型有料老人ホーム
<居住地域>東京都
<入居年齢>70代
<介護度>自立
<入居期間>2021年4月〜
<話を聞いたかた>姪
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
叔父です。
入居を決めた時期と理由
叔父は、2020年11月に叔母をがんで亡くしました。おしどり夫婦で仲が良く、姪の私も憧れるカップルでした。愛する妻を失った叔父さんの憔悴は甚だしく、寂しさのあまり施設への入所を決意したと聞きました。
叔父夫婦には子どももいないので遺産を残す人もおらず、すべての財産を施設入居につぎ込んでいいという考えだったようです。
身の回りのことも料理を作ることも、叔父が一人ではできなかったことも、入居のきっかけになったそうです。
施設の探し方
叔母が亡くなりしばらくして、このまま一人で死ぬまでこの家で生活していくのかと考えたとき、叔父は漠然と不安にさいなまれたと言います。
そのこともあって、介護付き老人ホームや住宅型有料老人ホームを探すようになったようです。スマートフォンから老人ホームのサイトをたくさん見たり、比較サイトを参考にしたりして、探したと言っていました。
そのなかで、家から近い施設が検索でヒットし、予約をし内覧見学に行ったそうです。
入居の手続き
叔父によると入居までのステップは非常に大変だったと言います。
叔父はいわゆるお金持ちで大豪邸に住んでいたので、家の道具や衣類、調度品に骨董、叔母の衣類や呉服、宝石の整理や処分に膨大な時間がかかったそうです。
家の売却も不動産会社に依頼し、同時進行で行ってと、本当に大変だったみたいです。
叔父は、できるだけ持ち物をコンパクトにしてから施設に入居したかったようで、入居までにかなりの断捨離をしたとも言っておりました。
入居して良かったこと
入居してよかった点は、施設が非常に充実していて毎日楽しく過ごせていると叔父は言っています。
特にパターゴルフスペースやカフェ施設、ルーフバルコニーがお気に入りのスペースだそうです。
栄養バランスを考えた美味しい食事や、その人に合わせたリハビリメニューをトレーナーが作ってくれるトレーニングなど、非常に気に入っている様子です。
入居して大変だったこと
入居して大変なところは、やはり月額利用料が高いという点だと言っています。
叔父の場合は月に30万円程度支払っています。
叔父は会社経営をしていたり、家屋も売却していますから、普通のサラリーマンよりも預貯金をたくさん持っているはずですが、それでも月額利用料は高く感じると言ってました。
自分がいくつまで生きるかわからないから、預貯金が底をつかなければいいのだがと不安を口にしていたことが非常に印象的です。
入居を検討しているかたへのアドバイス
誰もが迎えるシニアの生活ですが、叔父のようにお金が潤沢にあり3000万円の入居金と毎月30万の利用料金を支払えるのは稀なケースだと言えます。
叔父ほど高級な住宅型有料老人ホームに入居しないまでも、やはりそれなりの介護施設に入るには相当のお金がかかるのは事実です。
私も不安のない老後の生活を迎えるために、今からさらに節約して老後のためにお金を貯めようと思います。
皆様も、いずれ迎える老後のために今からコツコツお金を貯めることをお勧めします。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用
<目安>編集部調べ
部屋タイプ18㎡(1名入居の場合)
●入居金(前払金) 65歳〜81歳(償却期間7 年)3,700万円~
●月額利用料(税込/自立) 298,900円
<内訳>家賃相当額、食費、介護サービス、管理費