老人ホームの相談事例<がんで予後1年の父がこれまで生活を変えずに穏やかに暮らせる老人ホームを探してほしい>【老人ホームの選び方 vol24】

老人ホームの相談事例<がんで予後1年の父がこれまで生活を変えずに穏やかに暮らせる老人ホームを探してほしい>【老人ホームの選び方 vol24】

こんにちは!千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長の石田です。

老人ホーム探しは難しいものです。なぜなら、人によって老人ホームに入る年齢も、要介護度も生活様式も趣味嗜好も、そして老人ホームにかけられるお金も違うからです。

しかも、希望の老人ホームが見つかったとしても、入所後に想定外のトラブルや困りごとが発生する可能性もあるのが難しいところ。

「老人ホームの選び方」では、私が過去にお受けした実際の相談事例を紹介しながら、注意すべき点を考えていきたいと思います。

ぜひ参考になさってください。

1.がんで予後1年の父がこれまで生活を変えずに穏やかに暮らせる老人ホームを探してほしい

1-1 入所対象者の状況

<性別>男性

<年齢>84歳

<介護保険>要介護1

<認知症>年齢相応の物忘れ程度

<必要な医療行為>バルーンカテーテル

<既往歴>特になし

1-2 相談内容

入居対象は要介護1の84歳の男性。前立腺がんが見つかり入院されています。

病院のケアマネージャーから紹介された娘さんからの相談です。

対象者であるお父さまは5年前に奥さまが亡くなられてから一人暮らしをされていました。最近、物忘れが出てきて介護保険サービスを利用し始めた矢先に前立腺がんが見つかり、入院中です。

検査の結果、骨盤に転移も見つかり、医師からは予後1年くらいと言われたそうです。「現在は歩行や排せつも自分でできているが、今後病状が進行したときを考えると退院しても一人暮らしは不安なので老人ホームに入所させたい」というご要望です。

加えて、コロナ禍のため、老人ホームでは面会や外出が制限されるとニュースで聞いているが、「面会や外出ができ、タバコも吸える老人ホーム」という希望もありました。

現在は急性期病棟に入院中で、いったん慢性期病棟に移る予定だが、長くは入院できないと病院のソーシャルワーカーから言われているので、早めに入所できる老人ホームであることも条件の一つです。

予算は月額20万円以内でお探しです。

1-3 私の対応

娘さんとの面談では、コロナ禍の状況下の現在、面会や外出が自由にできる老人ホームはほとんどないことを説明、何箇所かの比較をご希望の場合、現状では、面会や外出に制限があるホームも含めて検討せざるを得ないことを了承していただきました。

病状が進行した場合、がんによる疼痛管理も必要になること、またお身体の機能が低下していくことを考えると、介護・看護体制が整っている介護付き有料老人ホームメインが望ましいことも納得していただきました。

一方で、病院のソーシャルワーカーに、慢性期病棟の状況を確認したところ、お父さまより身体の機能的に重度なかたが多いため、長い入院はお父さまにもストレスが溜まる可能性が高いため、早めに入れる老人ホームが望ましいのでは?というアドバイスもありました。

現状で空きがあり早く入所できるホームに絞り、またコロナによる面会・外出制限の対応を確認したうえで、3軒の老人ホームを娘さんに提案しました。その際、費用が多少高くなっても、看護師が24時間常駐しているホームも提案してほしいと希望されたため、新たに2軒追加、5軒の老人ホームを提案することになりました。

コロナの影響で見学時の人数制限があり、リーブスで同行できない老人ホームは、事前に見学するポイントをまとめた紙を娘さんにお渡しし、お一人で見学に行っていただいたホームも含め、5軒の候補ホーム全てを見学され、<1>に入所されることになりました。

  1. 介護付き有料老人ホーム
    面会は制限しているものの、家族との外出、外泊は可能。タバコはスタッフ付き添いがあればOK。看護師24時間が勤務、医療に力を入れている
  2. 介護付き有料老人ホーム
    面会、外出、外泊禁止。コロナによるストレス防止のためのレクリーエーションに力を入れている。看護師24時間勤務
  3. 介護付き有料老人ホーム
    基本的に、面会、外出、外泊は禁止。やむを得ない事情があれば相談可能。看護師は日中帯のみ勤務。介護力に定評あり
  4. 住宅型有料老人ホーム面会は予約制で1回15分。外出、外泊は禁止。スタッフ付き添いのうえ屋外で喫煙可能。住宅型ではあるが、運営会社の方針により看護師が日中は常駐
  5. 介護付き有料老人ホーム
    面会、外出、外泊禁止。喫煙不可。オープン1年経つがほとんど空きがでない人気ホーム。看護師は24時間勤務

入所の決め手は、看護師が24時間勤務、医療体制に力を入れている点。またコロナ禍にありながら、外出や外泊、喫煙が可能で、お父さまが自由に過ごせる点です。

1-4 今回の事例のポイント

・コロナ禍における面会、外出、外泊の制限はホームによって対応が異なるので確認が必要

・昨今、喫煙は敬遠されがちなため、喫煙可能な老人ホームは減少傾向。しかし対応可能なホームもあるのであきらめずに確認を

2.まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は前立腺がん、予後1年と診断された男性のケースです。ご家族はできる限りこれまでと同じ生活ができて、看護もしてくれる老人ホームを希望されました。コロナ禍で制限されるなかで希望にあった老人ホームを探すのは難しいと思われがちですが、希望にあった、もしくは近いホームは必ず見つかります。あきらめることなく、ぜひご相談ください。

さて、2年にわたって連載してきた「老人ホームの選び方」は、今回で終了します。長い間、読んでいただきありがとうございました。ご家族の老人ホーム探しの皆さまの少しでもお役に立てたら幸いです。

記事提供:石田治男
千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス 所長
入居相談員 / 老人ホームアドバイザー

老人ホームの選び方の最新記事